- オフィス移転
近年、新たな働き方の一つとして注目が集まっている「SOHO」(ソーホー)。
ワークスタイルが多様化する中で、より自由に働ける方法として需要が高まっています。
この記事では、SOHOについての基礎知識と、SOHO物件と賃貸オフィスの違い、さらにはそのメリット・デメリットなどを解説していきます。
この記事が、みなさんの働き方やオフィスのあり方の新しい選択肢の1つとなれば幸いです。
※本記事はプロモーションを含む場合があります。
「SOHO」とは[Small Office Home Office]の略語で、主に2つの意味合いで使われている言葉です。
1つは、ワークスタイルとして「小さなオフィスや自宅を仕事場とする働き方」のこと。もう1つは、不動産用語として「SOHOの仕事場そのもの」を指す言葉としても使われています。
また、そういったオフィスは「SOHO物件」とも呼ばれています。
では、この2つの「SOHO」を個別に解説しましょう。
元々は、1970年代にアメリカのロサンゼルスで発祥したといわれています。
日本では、インターネットの普及した1990年代から徐々に取り入れられてきたワークスタイルです。
近年、コロナ禍の影響もあり、フリーランスや個人事業主として自宅で仕事をする人も増えてきました。そのような働き方がSOHOの代表的な例であり、時間と場所に捉われず自由に働けることが、その最大の魅力です。
SOHOに向いている職種としては、「主にインターネットやパソコンを使って、受託した業務を行う」ものが挙げられます。パソコン一台で仕事を完結できる、Webライター、エンジニア、プログラマー、動画編集、翻訳などの職種がSOHOに向いているとされています。
不動産業界では、一般的なオフィスではないけれども仕事のできる物件のことを、「SOHO物件」と呼んでいます。
具体的には「居住用」の契約でありながらオフィスとして利用できる物件のことを指します。言い換えれば「自宅兼オフィス」にできる物件ということです。
「SOHO物件」と一般的なオフィス賃貸物件との違いに関しては後述します。
新しいワークスタイルとしてのSOHOは似たような言葉があり、よく混同されがちです。
SOHOと似た言葉との違いをしっかりと確認しておきましょう。
SOHOは、会社には属さず独立して仕事をおこなう個人事業主に多い働き方であるのに対して、「在宅ワーカー」とは企業との雇用関係を維持しながら自宅で働くことです。
一方「フリーランス」は企業に属さず独立して仕事を請け負う人のことを指すため、「SOHO」と重なる部分も多いです。
しかし、例えフリーランスでも企業に常駐して働いているケースではSOHOには分類されません。
ABWとは[Activity Based Working]の略で、業務や気分に合わせて働く場所を選択する働き方のことです。
SOHOともニュアンスの近い言葉ですが、ABWは組織が打ち出す施策として使用される言葉であり、SOHOは個人や物件そのものを指す際に使われます。
SOHOに関する定義が明確にはなされていませんが、ABWよりは範囲の広い言葉として使われます。
SOHO物件とは、SOHOの働き方をする人が働く場所を指す言葉ですが、一般的なオフィス賃貸の物件とどう違うのでしょうか。
その点も混同されがちなので、2つの違いを簡単に表にまとめました。
SOHO物件 | オフィス賃貸 | |
契約形態 | 居住用 | 事業用 |
家賃に対する税金 | 非課税 | 課税 |
法人登記 | 基本的にはできない | できる |
看板 | 出せない | 出せる |
人の出入り | 不特定多数は不可 | 無制限 |
先ほども述べた通り、SOHO物件とオフィス賃貸物件の大きな違いは、「居住用」の契約か「事業用」の契約かということです。そこからさまざまな差が生まれてきます。
まず、住宅物件であるSOHO物件は、オフィス物件に比べて賃料や保証金が安く、結果初期費用も安く済みます。さらに、事業用契約ではないので、家賃に対する税金も非課税です。しかしながら、法人登記は原則できず(ただし、物件オーナー次第で可能となる場合もあるため確認が必要です)、会社の表札や看板を出すこともできません。
また、他の入居者に迷惑がかかるため、不特定多数の出入りも基本的には不可となっており、来客の多い仕事についてはSOHO物件の利用は難しいといえるでしょう。
では、「住居兼オフィス」で働くSOHOには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
大きなメリットを3つ紹介しましょう。
オフィス用の賃貸物件を借りることに比べ、SOHOの場合は賃料はもちろん、敷金・礼金・保証金などの初期費用もかなり安く住む可能性が高いです。
特に、オフィスを借りるときには保証金として賃料の半年から10ヶ月分ほどを先に支払う場合がほとんどですので、その点でも初期費用は大きく抑えられるといえます。
ベンチャー企業やスタートアップ企業にとっては、初期費用はなるべく抑えたいところ。そんなときにSOHO物件は大きな力になってくれるかもしれません。
当然のことながら、「住居兼事務所」で働くSOHOでは、通勤の必要がありません。これにより、時間を有効に使える上、長時間の満員電車などのストレスから解放されます。
また、その日の気分に応じて、カフェや図書館など、自宅以外の場所で働くことも可能となります。
自分で最も集中できる場所を選択できるので、業務の効率も向上することでしょう。
SOHOでは、働く時間や労働量、休憩の取り方、さらには休日の設定などが自由に行えます。
現代社会では、一般企業などでもリモートワークやフレキシブル勤務などが取り入れられていますが、それらよりもさらに自由度の高い働き方だといえるでしょう。
場所だけでなく、時間にもとらわれない自由な働き方ができるのもSOHOの魅力のひとつです。
メリットがあればデメリットも存在します。
デメリットに関しても3つ紹介をしましょう。
一般的な企業オフィスやコワーキングスペース・レンタルオフィスなどと違い、セキュリティや通信をはじめ、業務に必要なさまざまな設備を自分で揃えなくてはなりません。
また、レイアウトを工夫して作業スペースと居住スペースをわけるなど、快適な仕事環境を整える必要があります。
会社が設備を整えてくれたり、備品を支給されたりする場合は別ですが、基本的には自分の責任で職場を作る必要があります。
SOHOは自由に仕事を組み立てられる反面、仕事とプライベートの区別が曖昧になってしまいがちです。
自己管理をしっかりと行い、生活と業務の切り替えを行うことが必要になります。毎日のスケジュールをきっちり立てるなどして、タイムマネジメントをすることが大切になってきます。
SOHOは自律性を前提としたワークスタイルなのです。
SOHO環境でフリーランスとして働く際には、会社勤務と異なりクライアントから直接業務を受託して仕事をする場合が多いため、どうしても収入が不安定になりやすいです。
また、営業活動や経理業務なども自分でやらなくてはならないため、本業以外の仕事にも時間を取られてしまいます。
SOHOとしての働き方のみならずフリーランス全般に当てはまることであり、これも先程と同様自律性が背景にあることを忘れてはなりません。
現状のオフィスが広すぎてコストがかかっている場合、SOHO物件などに移転をすることもひとつの選択肢かもしれません。
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働き方がますます多様化している昨今、時間や場所に縛られず、よりフレキシブルに働くことができる「SOHO」。
今後、AI技術のさらなる発達などにより、SOHOという働き方はより一般化していくことでしょう。
それと同時にSOHO物件も増加し、オフィスのあり方も変わってくることでしょう。
こちらで紹介した内容やポイントを参考にして、今一度現状の働き方やオフィスのあり方を検討してみてください。